Antonio Alonso REVIEW
シェークスピア劇の劇場に スペイン舞踊が登場

シェークスピア劇の上演劇場として知られる東京・新大久保の東京グローブ座に、珍しくスペイン舞踊が登場する。 18日から26日まで行われる小松原庸子舞踊団の公演だ。
同舞踊団は、昨年4月から創立20周年を記念する催しを各地で続けてきたが、この公演がその最後となる。 同舞踊団にとって記念碑的な意味をもつ「カルメン」「ゴヤー光と影」「恋は魔術師」の3作品を、各2日ずつ上演する。
「カルメン」はこれまで100回を超える上演に成功したヒット作。 5年前、ウィーンでドミンゴ主演オペラの振り付けと主役ダンサーをつとめて好評を博したアントニオ・アロンソをスペインから招くのが話題。
「恋は魔術師」は舞踊団発足後、最初に取り上げた作品だが、長い間手がけていなかった。 今回は、2年前のコンクール(第1回コンクルソ・デ・アルテ・フラメンコ東京)で優勝した石井智子と準優勝の山崎慶美が主役に抜てきされる。
演出は、劇場の広さに合わせて、これまでと違った方法も取り入れる。「ゴヤー光と影」では、ダンサーが客席の間を移動し、劇場全体がひとつのステージのように使われる。 「振り付けに関しては、アロンソさんの意見を取り入れ、私自身、もっともジプシーらしいカルメンができれば」と小松原。